The Way Up / Pat Metheny Group

コンテンポラリー・ジャズ・ギターの雄、パット・メセニー率いるパット・メセニー・グループの最新作がこちら、「ザ・ウェイ・アップ」です。

ザ・ウェイ・アップ / パット・メセニー・グループ
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ジャズというジャンルを遙かに超越し、進化し続けるギタリスト、パット・メセニー。彼が率いるPMG、3年ぶりの新作は、トータル72分に及ぶ、歴代最高作との誉れ高き大作。

便宜上、4つのパートに分かれていますが、パット曰く「1つの曲」というコンセプト・アルバムです。そういう意味では、クラシックの交響曲をイメージします。

  1. Opening
  2. Part One
  3. Part Two
  4. Part Three

川のうねりがその場所によって表情を変えるが如く、刻一刻と変化しながらも結末へと上り詰めてゆくその流れが圧巻です。これまでのPMGの歩みが1枚のアルバムで表現されているという意味でも、本当に見事なアルバムでした。

このアルバムで、またしても彼らは、とてつもないステージに到達してしまいました。ワールドツアーの東京公演で、このアルバムをどのように表現するのだろうか。それを考えただけで、もー楽しみ!!

グループ名義では3年ぶりとなる作品は、序章+3部構成となるコンセプト・アルバム。ひとつの流れを持つ全72分の大曲は、30年以上のキャリアを持つパットにとって最大のチャレンジといえる意欲作だ。とはいえ、その音楽性は彼のファンに馴染みのある、ジャズもフュージョンも超えた彼独自のユニークなもの。透き通るようなギター・プレイも堪能できる一方で、ライル・メイズ(ピアノ)を作曲パートナーに、スティーブ・ロドビー(ベース)、アントニオ・サンチェス(ドラムス)ら実力派ミュージシャンの演奏も見事。全編パットの世界観と美学に浸ることが出来る豊潤な作品として、邪魔されることなく一気に聴き通したい70分間だ。 <山崎智之>

p.s.
後日談ですが、行ってきました!東京国際フォーラムでのThe Way Up Live。最高…。